和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
税の恩恵に気づいて
和歌山県立星林高等学校 1年 菅田 利佳

私はこれまで税について深く考えたことがなかった。公民の授業やニュースで度々耳にする言葉ではあったが、どの話題も自分からは遠く、難しいもののように感じていたのである。

そのため、「税の作文」という課題を前にしたとき、私の頭の中は一瞬まっしろになった。

しかし、立ち止まって考えてみたとき、初めて自分が税から受けている大きな恩恵に気づいた。

高校入学前、私はある問題に直面した。それは、通学途中にある歩者分離式の信号だ。私には視覚障害があるため、信号の色がわからない。普段は自分と同じ方向へ進む車の音をたよりに、渡るタイミングをつかんでいるが、歩者分離式ではそれができなくなってしまう。このため、単独での横断はとても危険だった。

そんなときに警察のホームページからみつけたのが、信号機についての意見を集めている、「信号機ボックス」である。私は思いきってメールを送り、困っている状況を伝えた。するとありがたいことに音声信号がつけられたのだ。今では一人でも安心して渡ることができるようになった。これはもちろん、早急に検討、対応してくださった方々のおかげだが、実は税のおかげでもある。

これだけではない。歩道に敷かれた点字ブロックや点字案内板、さまざまな場所で聞こえる音声案内など、私の手助けをしてくれるたくさんのものが税を使って設置されている。こう考えると、今まで意識したこともなかった税に対し、感謝の気もちがわいてきた。

現在日本は、財政赤字による厳しい税の問題を抱えているそうだ。世界の中で、多くの人々が貧困や飢餓に苦しんでいる情況と比べると、日本は非常に恵まれているし、経済力もあると言える。しかし、全ての国民が安心して安全な生活を送るためには、さらにたくさんの社会保障が必要になってくるそうだ。高校生の私が今すぐ何かをできるわけでは決してないけれど、将来はそんな社会に少しでも貢献できる人間になれるよう、しっかりと学習を積み重ねていこうと強く思った。

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