和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
果たして、その税は無駄なのか?
智辯学園和歌山高等学校 1年 木下 和花

私には前々から抱いていた疑問がある。それは、「なぜ納税ば義務゛となるほど必要なものであるのか。」ということである。公務職は企業化し、公共事業も必要な人だけが料金を出せばよい話である―というあまりにも浅はかな考えだった。仮に、そんな国だとすると、家が火事になったとき、消防も公共サービスでないため、必ず助けを要請できない人もうまれるだろう。その他にも、人が生きるために必要なサービスを受けられる人が限られてしまう。改めて考えると、人間社会の理念が根本的に崩壊していた。そう考えると税金の必要性を垣間見ることができる。また、税とは「皆で創る幸福への投資」と言い換えられるのではないだろうか。しかし、一方で私は「税金の無駄遣い」という言葉をよく耳にする。

税金は、ほとんどの人々が課せられ、支払っている。だからこそ、無意義な使い方を許せまいとし、「無駄遣いだ」と断定する。それは無理もない。私の友人で、スポーツに全く関心がないという人がいる。その人は、競技場を見て、税の無駄遣いだと言う。なぜならば、競技場には縁がないからだ。つまり、人は知らず知らずのうちに、自分の福祉に関係がなくなると、無駄だと断定してしまうのかもしれない。その他に、ネットで田舎の道は無駄だと言う人もいる。たしかに、それには私も賛成できた。しかし、そんな道を、便利だ、と言いながら藁を運び農作業に励む人々を見たとき、私の考えは一新された。関係性がないからといって、一重に無駄だ、とするのはおかしいのではないか。その考えは、和歌山県民が他府県の公道を批判しているようなものだ。実際、そういう人はあまりいないし、他府県民の福祉を否定することになる。競技場や小さな農道はその縮図だと思う。一括して国民全員のための福祉事業を展開するのは困難だが、縮図を描き、つなげることで全体的な幸福に結びつく。そして、その図を描くペンなるものが税だ、と私は考えた。

誰かが税の無駄だと言うと、本当に無駄な気がする。しかし、私は、事業の影響をうける人の利害を考えてから、有意義か無意義かを考えたい。そうすることで、きっと新たな世界が見える気がするのだ。将来の年金の負担が心配されているが、お世話になった人々のためにも、今からできることをしていきたい。その例として、公共の設備を大切にしたり、税がもたらす幸福を考えて行動したりしていきたいと思う。

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