和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
学校に関わる税
和歌山県立日高高等学校 1年 湯川 ひかる

それは二年前のこと。私が当時通っていた中学校の新校舎建設工事が始まった。その時は、どんな校舎が出来るのだろうと期待で胸を膨らませていた。現在、新校舎にはたくさんの人が行き交い、私が中学校時代を過ごした旧校舎は沈黙を保っている。

この税の作文を書こうと思ったとき、私の身の回りで税が使われているものは何だろうと考えた。その時にパッと思い浮かんだものが先に述べた母校の新校舎建設工事だ。既設の校舎の老朽化が進み、耐震診断でも改修が必要との結果が出され、建て直すことになったそうだ。そしてなんと、全体の事業費は約二十七億円。当時それについて書かれた記事を新聞で読んだ時、目を見開いて驚いたのを覚えている。そんな大金は想像もできない。それと同時に、二十七億円も税金が使われるのかとぼんやり思った。

思えば、学校ではあらゆるところに税金が使われている。例えば教科書。小中学校の時はタダでもらえて当たり前のような感じだったが、高校生となった今では全く違う。自分の足で指定された本屋へ向かい、数万円する教科書類を買う。こんなにお金が必要なのかと思った。ふと、小学校時代の教科書が懐かしくなり、それを何年か振りに開いてみた。高校の教科書の文字の小ささと量に慣れてしまった私には、その教科書の大きい文字はかえって読みづらかった。そしてどの教科書の裏表紙にも必ず書いてあるのは、「この教科書は、これからの日本を担う皆さんへの期待をこめ、税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」のメッセージだった。今読むと何だか感慨深い。

このように、小中学校に税金を投じるのはとても良いことだと思う。大げさかもしれないが、だからこそ日本はここまで発展したのだと思う。そして税金を払っている国民の一部にはもちろん、私の両親もいる。勉強は、国や地方公共団体にさせてもらっていると言えるだろう。学校に通えるのも、教科書がタダでもらえたのも、授業を受けられるのも、両親のおかげだ。高校に入学して、税が使われる機会は減ったけれど、今まで税が自分に使われていたことのありがたみと、両親への感謝を忘れずに、日々勉強に励んでいこうと思う。

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