和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
みえた税金のありがたさ
近畿大学附属新宮高等学校 1年
 松本 朱琳

この春、私にとってとても重要で考えさせられる出来事が起こった。それは春休みのことだ。私の祖母が、気分が悪いと言って数分後に意識を失った。祖父が百十九番に連絡し、救急車を呼んだ。しかし、数分前まで元気で話しをしていた祖母の意識がなく、顔色も悪くなり、イビキ様な息使い、ひどく咳込むと口から血の様なものまで垂れていた。祖父も私もひどく動揺していた。倒れている祖母を救急車が来るまでどうしていいものか気は動転し、お互いに必死だった。その時、電話の向こうから落ち着いた声で「心肺蘇生出来ますか。」と言われた。出来ないと答えるとどういう風にしたら良いか、救急車が到着するまでの事を教えてくれ、私は声を頼りに救急車が来るまで夢中で頑張った。救急車が到着し、無事に病院へ搬送して頂いた。たくさんの人のおかげで祖母は助かり、今は家族で助け合いながら介護している。

私は今回のこの経験により、今まで何気なく救急車が走っていく度に、病気かな、事故かなと思っていたが、救急車の必要かつ重要性がとてもよくわかる経験をすることが出来た。ニュースなどで問題とされている救急車を安易かつタクシー代わりのように呼び出す人達がいることが問題視されている。確かに命に関わるような時、判断しにくい場合もあると思う。しかし、急を要さない場合などを除いては、安易に病院を見つけられない、病院までの交通手段をタクシーでは高額となり料金を支払わないといけないが救急車は呼んでも費用がかからない。これは、私達が税金を払っているおかげだ。例えば、アメリカは救急車を呼んで病院に搬送してもらうだけで、地域により異なるが三万円から五万円もかかる。例えば、日本では四十二秒に一回、一年間に約六百二十一万八十件もの救急車が出動していると言われている。そして救急車を一回出動させると四万五千円の税金がかかる。しかし、この救急車の出動の半数が軽症の人だ。本来の救急車の使い方をせず、迷惑通報が増え続けると救急車の「有料化」となってしまう可能性もあり、私達は考える必要があると思う。また、日本には医療保険制度があるため、祖母はくも膜下出血の手術や入院治療を行ったが、アメリカの約二十分の一程の治療費で済み安心して治療を受けられることも税金の生かされた使い方であると感じた。

現在、増税等のニュースも聞かれるが、税金を無駄に使わず、必要な人に必要な時、使われるような世の中になればいいと思う。私も社会に出て税金を払うようになった時には、自分達の生活を守るために使われるような世の中であって欲しいと思う。

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