和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
平和な暮らしを支える税
和歌山県立田辺高等学校 1年
 前西 花澄

「税」というものは、ごく普通に暮らしている高校生があまり身近に感じる事ができるものではありません。しかし、ある出来事が、私が税の大切さ、本当の意味を知るきっかけとなりました。

今年の夏休みのことです。私は部活動に行く途中で、事故にあってしまいました。その時、すぐに救急車が来て、私は病院に搬送されました。急速な治療により、怪我は最小限ですみました。今になって、もしあの時救急車が来ていなかったらと思うと、想像するだけでも恐ろしいです。

多くの人々を助ける救急車は、税によってまかなわれています。なんと、一度の救急搬送にかかる費用は、およそ四万五千円だそうです。もし救急車が税によってまかなわれていなければ、倒れている人や危険な状況に陥ってしまっている人がいても、お金のことを気にして救急車を呼ぶことをためらう人が出てくるかもしれません。そのようになってしまうと、助かる命も助かりません。実際に、外国では救急車が有料な国が多々あり、約九万円ほどのお金がかかってしまう国もあるそうです。税は人の命をつなぐ大切なものであることを痛感しました。

私は税について詳しく知りたいと思い、救急車の他にも重要な使い道があるのではないかということを調べてみました。私が興味を持ったのは、高校生である私も通う、学校と税の関わりです。学校は、多くの部分が税によってまかなわれています。校舎や体育館、プールなどはもちろんのこと、普段何気なく使っている机と椅子までも、税が使われています。さらに、小学校と中学校の義務教育では、学習に必要なすべての教科書が税によって作られ、いただくことができます。私たちは、税があるからこそ立派な大人に成長することができ、税は多くのことの支えになってくれます。私があたりまえにすごしている高校生活も、決して普通のことではなく、税のおかげで成り立っている「特別」なことなのだなと改めて思いました。

私は税について考えてみて、税をまだよく理解していなかったころと考えが変わりました。税をまだよく理解していなかったころの私は、「消費税はなぜあるのだろうか。」「増税しないでほしいな。」など、少しネガティブ思考でした。しかし、今は税が存在する意味がわかり、私たちが生きるためには必要不可欠である大切なものであるということが身にしみて感じることができます。税なしで平和な生活をおくることは不可能だと思います。もし税がなかったら、日本、いや、世界がうまく成り立たなくなるでしょう。それほど税は存在価値のあるものです。税がこれからも、苦しんでいる人や不安な人などの多くの人々を助け、みんなの救いの手となってくれることを願っています。

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