和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
よりよい生活を実現するためには
和歌山県立橋本高等学校 1年
 髙﨑 友理奈

「ここにある本は全て市民の税金でまかなわれているんですよ。」
去年の夏休み、近くの図書館で本を貸りたときに図書館のスタッフさんが私にこう言った。

読者が好きだからか、図書館を利用することはよくあった。それなのに、こんな所にも税金が使われていることを考えたこともなかった自分が恥ずかしく思えた。と同時に、税金についてもっと知りたいと思った。

話を聞くと、図書館での税金の使い道は本の購入だけではなかった。図書館の建物、机やいすなどの設備や働く人のお給料までもに税金が使われていたのだ。

しかし、別に税金を使わなくてもいいのではないか。そう思った私は、もしも図書館が民営化されたらどうなるのか、と考えてみることにした。民営化すると、国や市ではなく個人の誰かが経営者にならなければならない。もちろん従業員も必要だ。経営者側になると従業員にお給料を払わなければいけないので利潤を求めざるを得ない。すると、本の貸し出しも有料化してしまうだろうし、集客率を測るために都市部にばかり固まってしまったりするかもしれない。それでは、小さな子供から年配の方まで幅広い年代の人が求める図書館の姿だと言えるだろうか。図書館は税金で成り立っているからこそ、私達の暮らしをよりよいものにできるものであり続けるのだと思う。

これをふまえて、図書館の他にも税金が使われている公共施設にはどのようなものがあるかを調べてみることにした。すると、普段の生活でも目にするたくさんの公共施設に税金が使われていたのだ。その代表的な例としては、博物館、美術館、公民館、保健センターなど。確かにこれらの公共施設は、図書館と同様に利潤を求めている訳ではない。県民や市民にとって生活をよりよくするために設けられている場所だからだ。

今回、図書館を主に身近な公共施設での税金の使われる理由を考えてみることで、なぜ税金が必要なのか少しではあるが分かった気がする。私達が納めた税金は、どれも国民、県民、市民のために使われていて、それにより私達は豊かな生活を送ることができる。これを知った今だから言えることがある。それは、税金とは「私達の生活をよりよくするためにあるもの」だということ。そのために、私達自身がもっと税について関心を持ち、皆がそのありがたさに気付く世の中となってほしい。そうすれば、今よりももっとよりよい生活、そして社会を皆の意識で築いていける世の中が実現できると思うからだ。

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