和歌山県租税教育推進連絡協議会

ホーム税に関する作文税に関する高校生の作文一覧 > 高校生の作文表彰作品
和歌山県知事賞
税の意義と役割と使い方
和歌山県立耐久高等学校 1年
 西 菜月

私たち日本国民がはらう税金。消費税、所得税、法人税。その中でも今自分が普段はらっている消費税。正直はらっている実感もないし、こんな少しのお金が何かに役立つとも思えない。税金の役割とは何か。

税金は私たちの暮らしを支えている。身近にある公園や図書館などの公共施設、また地方公共団体が行う福祉などの公共サービスはすべて税金でまかなわれる。これがなければとても暮らしにくい環境になってしまう。だから税金は、私たちの豊かな暮らしを支える役割を果たしているのだと私は思った。

しかし税金は私たち日本国民だけを支えているわけではない。税金の使い道のひとつとして、経済協力費というものがあることを知った。これは、世界で貧困や飢餓に苦しみ、国際社会が見過ごすことのできない深刻な状態の国々が生活環境を改善して、自立ができるようにするための支援だ。それを知ったとき、私は高校の授業でみたある動画を思いだした。

その動画は、ごみ山で働くマニカという女の子の話だった。マニカのお父さんは殺されてしまい、お母さんは病気で働けず、弟と二人でお母さんを支えるため、マニカが働くしかないのだ。しかし、マニカが稼ぐことのできるお金は少なく、食事は三日に一度しかできない。当然、学校に行くこともできない。そんなマニカとその家族の生活の苦しさが動画から伝わってきた。

この動画を見た後、私はこの人たちの深刻な問題と比べれば日本の問題が軽く思えてしまった。日本は、少子高齢化が進んでいて、若い人たちの負担が大きくなっていくかもしれない。確かに将来税を納めていかなければいけない立場としても改善してほしいとは思うが、まだ私たち日本人の生活はとても豊かなほうだと思う。小さい子どもが働かなければならないほどでもないし、9年間は必ず教育を受けることができる。とても恵まれた環境にいる。私は、世界中の子どもが教育を受けられるようになってほしいと思う。そのための支えとして、教育を受けれない世界の子どもたちのために税金を使ってほしい。もちろん自分たちの生活がこれからも変わらず豊かであることも大切だ。だからこそ、日本に限らず世界中の協力で各国が税金を集めて世界の子ども全員が教育を受けられるようにしてほしいと思う。また、日本の深刻な問題である若い人の負担。これは、私たちがもっと税金についての知識を身につけ、それを理解して、そのうえで改善方法を考えていく必要があると思う。そうやって私たちの世代だけでなく、未来の世代が豊かな生活をおくれる社会であり続けてほしい。

税に関する高校生の作文一覧へ戻る