和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
税を理解することのメリット
和歌山県立向陽高等学校 1年
小南 千紘

「税金高いし、払いたくないなあ。」こんな声を耳にしたことが何度かある。私も深く考えることなく、税なんていらないんじゃないか、と思っていた。だから、税の作文が宿題だと言われたときは、正直戸惑った。税というものに、良いイメージを持っていなかったからである。そこで私は、税について、ネットや本を使いながら一から調べ直した。すると、とんだ思い違いだったことが分かった。考え直してみると、いくつか税に助けられたんじゃないかと思い当たることがあり、その中でも一つ強く思うものがあった。

それは、二年前の夏。私が肺炎で入院したときのことだ。幸い、病院で適切な治療を受けた私は、みるみる体調が良くなり、一週間で退院することができた。しかし、そのとき私は、ふと、こう思ったのだ。病院といえば、部屋を借りるにもお金がかかると聞いたことがある。ましてや、レントゲンや点滴なども受けたので、とてもお金がかかっているだろう。三万円?五万円?それ以上?初めての入院だった私には、想像すらできなかった。そこで、母に、恐る恐る聞いてみたところ、考えもしなかった答えが返ってきたのだ。「それがね、本当に安くてびっくりしたんよ。なんなら家にいてるより安いくらい。」と。そのとき、退院したばかりで余裕がなかった私は、なぜ安いのかなど考えもしなかった。今聞けば、やはり税のおかげだと言う。

私は、税をただ一方的に取られているのだと思い込んでいた。だから、払いなくないと思うこともあった。しかし、それは大きな間違いであり、税は形を変え、私たちの元に返ってきていたことを知った。例えば、小中学校の教科書や道路の舗装、ゴミの収集、国民医療費の公的負担、そして年間教育費。実は税には、言い出したらキリがないほどたくさん助けられていたのだ。

私は、これまで税が何に使われているのかを知らないまま過ごしてきた。だから、消費税を取られることに不満を感じることも多々あった。しかし、使い道を知った今では、不満など一切感じず、むしろ社会に貢献できていることに喜びを感じ、清々しい気持ちで納税している。この気持ちをいつまでも忘れずにいたい。

税の使い道を知り、全員が気持ちよく納税している。そんな社会を、次世代を担っている私たちが、作らなくてはならないのだろう。

税の作文を書くことによって、自分も社会を担っている重要な存在であることを再認識したと同時に、税に肯定的な気持ちになることができた。

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