和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
未来を創る税
和歌山県立新宮高等学校 1年
池田 有梨映

みなさんは、『紀の国森づくり税』を知っているだろうか。紀の国森づくり税とは、森林を守り育て次世代へ繋ぐ目的でつくられた県民税のことである。私は、七月に行われた税の講演を聞いて、この税の存在を初めて知り興味を持ったので、詳しく調べてみることにした。

私が住む和歌山は古くから「木の国」とよばれ、森林が大切にされてきた。平成十九年四月から、紀の国森づくり税が始まり、県民の森林に対する意識も高まった。個人の場合、年額五百円というわずかなお金だが、それらが県の森林への取り組みに、大きく貢献してきた。

紀の国森づくり基金活用事業には、県民が自ら企画し実施する公募事業と、県が実施する施策に分かれていることを知った。私はこれまでの公募事業について調べてみた。

平成二十八年に紀南木材新緑会によって、木工教室が開かれた。この事業への補助額は百二万六千円である。親子教室もあり、きっと親子の絆と木材に対する興味が深まったはずだ。また、私が住んでいる古座川町でも、平成二十二年に森林公園整備事業が税によって行われた。

私が小学生のとき、和歌山で全国植樹祭があった。実際に木を植える体験もできた。また、中学生のときには森林体験があった。木を切ったり、トロッコに乗せてもらえたり、自然の豊かさや楽しさを身をもって実感できた。そして、森林を大切にしようと思える機会をもらえたことに感謝している。

このように、紀の国森づくり税のおかげで多くの市町村は発展し続けている。それだけでなく、木工教室や森林体験を通して、森林への関心を持つきっかけも与えてくれる。

私はこの紀の国森づくり税という税について学んだことで、『税金』というものの見方に新しい発見ができた。それは、税金は目に見える形として活用されるだけでなく、人の心を豊かに明るく成長させてくれるものでもあるということだ。学校や道路が税金によってつくられているのは多くの人が知っていると思う。だが、心を成長させるきっかけを与えてくれていると気づいたことはあるだろうか。私は、和歌山県に紀の国森づくり税という素晴らしい税があることをもっと知ってほしいと思う。そして、この税が、和歌山県の森林の保全と多くの事業へとつながることに期待している。

私も、いずれ進学のために地元を離れ、都会で過ごすときが来ると思う。そこはきっと森林の少ないところだろう。でも私は、森林に囲まれた地元が好きだし心地良いと感じる。だから地元に帰ってきて、豊かな生活を送りたい。そして、安全で幸せに暮らすために支えてくれ、心も成長させてくれた税金の存在を忘れずに、国のためにきちんと納税できる人になりたいと強く思う。

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