和歌山県租税教育推進連絡協議会

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近畿納税貯蓄組合連合会会長賞
みんなの社会のために
和歌山県立田辺中学校 3年 坂上 舞香

その日、私は朝目覚めた時から、いつもと違い、頭が重く体調が悪かった。だが、いつも通り食事をしようと炊飯器に手を伸ばした。その瞬間、目の前が真っ暗になった。ご飯が炊けていなかったからではない。気を失ってしまったからだ。

気がつくと、母が私の顔を焦ったように覗き込みながら言った。「もうすぐ救急車来るからな。」と、すぐに救急隊員の方が来られた。血圧を測ってもらいながら問診を受けているうちに、ぼんやりしていた私の意識ははっきりしてきた。記憶がなかったのはほんの数分間だった。状況を説明していた母も、その様子を見て落ち着きを取り戻したようだ。救急隊員の方が親切、丁寧に対応してくれたので、安心したのだろう。しかし、結局私は搬送されなかった。意識が戻り、母があとで私を病院に連れていくことにしたからだ。そして、気が動転して、緊急性がなかったのに通報してしまったことを母は反省していた。

今回のことで、私は実感した。ケガや病気をしても、救急車がすぐに来てくれる安心な社会に暮らせていることを。と同時に、救急車は、本当に必要な人のためのものだということも。

それから他にも、私たちが安心して暮らしができるように、警察、ゴミ収集、福祉などの公共サービスや、道路、学校、公立病院などの公共施設がある。これらの費用は、すべて税金でまかなわれている。

私たちは、公共サービスや公共施設を使わずには生活できない。ということは、私たちの生活は税金で成り立っていると言えるだろう。だから、税金は私たち自身で負担しなければならない。「誰かが納税すればいい」「自分は払いたくない」という考えは通らない。社会全体で支え合っていかなければならないものだ。

さらに、私たちが収めた税金が、無駄に使われていないか、どのように使われているのかを注視していく必要がある。そのためには、新聞やニュースを見ること、何より税金に対して関心を持つことが大切である。そして、私たち一人一人も税金を無駄使いしないように、公共サービスや公共施設を大切に使わなければならないと思った。例えば、ゴミを指定通り分別することで、焼却炉が長く使えたり、検診をすることで病気の早期発見ができ、医療費の削減につながる。また、私が実感したように、救急車を緊急性がないのに呼ばないこともそうだ。タクシー替わりに呼ぶなどもってのほかだ。

改めて思う。税金はなくてはならないものだ。だからこそ、みんなで支えていこうと。安心安全な社会のために。

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