和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県知事賞
透明性のある税金を
湯浅町立湯浅中学校 3年 戸津井 尚杜

僕は四年前、原因不明の病になりました。川崎病、それが病の名前でした。川崎病はなんと幼児などの小さい子どもがなる病気で当時小学校五年生だった僕は前例がないほどに年長の患者でした。そのため、入院した県立医科大学附属病院では多くの診察がまっていました。エコーや心電図を中心に、未だに原因不明の病気のため、研究材料としてDNAの提供もしました。そんな診察も終わり、元気になり僕は退院しました。

その後のある日、母が川崎病の治療費を見ていました。診察費や入院費など全て書かれていて僕も気になったのでその額を見てみました。すると、そこには日常生活ではとても目にすることはないほどの額が書かれていました。それを見たとたん、ある疑問が浮かびました。こんな大金、持っていたのか。家にはこれほどのお金があるのか、ということでした。しかし心の疑問に答えるかのように母はこう言いました。「だいたいは税金で払ってくれてるから、実際はこんだけしか払わないのよ。」そして母の指差した先にはかなり日常的な額になったものがありました。疑問は解明されました。つまりは、小学生以下だったので制度により税金で大部分をまかなえたということだったのです。税金により、多くの診察を行えたともいえます。まさに僕は、僕の家は税金により救われたのです。

そうした事実を知った後、僕は税金に興味を持ち始めました。すると、税金は病院以外でも身近に使われているということが分かりました。学校でも使われていました。そしてその税金は、国民の払った様々な税だと分かりました。僕達も払っている消費税を始め、税の種類は多くありました。

今、政治と金の問題などの税金を使った事件が多いように感じます。それを見るたびに僕は悲しくなります。ああ、その使った税金で苦しんでいる人達を助けられなかったのかと。国民全員が払っている税金は一円たりとも悪用してはだめだと思います。僕の入院時みたいに困っている人、お金のことで健康が維持できなくなりそうな人、その他大勢の支援しなくてはならない人のための税金です。払っている側もこのお金で支援してほしいと思っています。そういった国全体の信頼関係によって税は成り立っていると思います。それを裏切って悪用すると税を払わない人が増えるかもしれません。悪循環です。きちんと税金を払ってきちんと支援する。当たり前のように思えますが、意外と難しいと思います。まずはそうしなくてはなりません。信頼関係と病気などの支援をしなくてならない人のために。

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