和歌山県租税教育推進連絡協議会

ホーム税に関する作文税に関する中学生の作文一覧 > 中学生の作文表彰作品
国税庁長官賞
彩り多き未来へ
新宮市立光洋中学校 3年
 植地 彩衣

私には、曽祖父と曽祖母がいる。曽祖父は十年ほど前の事故で足が不自由になり、曽祖母が、曽祖父のお世話をしている。でも、最近、曽祖母も足が痛いと言い出した。毎日でも通ってあげたいが、私の家から二人の家までは一時間近くかかる。「どうしたら、二人が楽に過ごせるだろう」と考えていると、お母さんから、「ヘルパーさんを呼ぶことになったらしい」と聞いた。私は、「よかった」とほっとしたが、少し心配にもなった。ヘルパーさんを呼ぶということは、当然、お金がかかる。年金暮らしの二人には、負担が大きいのではないか。しかし、一回でかかった費用を聞いて、安心した。「これだったら、お金のことを気にせず、来てもらえるな」と単純に思った。でも、一つ疑問を持った。「どうして、こんなに安く利用できるのだろう?」ということだ。調べてみると、「お年寄りの介護サービスの一部にも税金が使われている」と書かれていた。正直、私は、昔から、税金を払うことの意味をわかっていなかった。また、前に「税金が不正に使われていた」というニュースを見てから、さらに、税金を払うことが正しいことなのかどうかさえ、分からなくなっていた。でも、「ちゃんと、社会のためにも使われているのだ」と知り、「自分が払わなければならない税金をきちんと払おう」と思うことができた。

国民の三大義務の一つである、納税。ただ税を納めることは誰にだってできるが、そうではなく、「社会の役に立ちますように」という気持ちを持って税を納められるようになりたい。本当に小さなことだけど、ひとりひとりのその気持ちが、社会を支える力になると信じたい。そして、その気持ちを忘れることなく、税金を納められる大人になりたいと思う。

街を歩けば、私たちが払う税金を使って建てられた建物や設備がたくさんある。事故を無くす、信号機。安全を守る、警察署。そして、私たちが通う学校。この、日常と化している幸せな暮らしは、すべて私たちの税金によって成り立っていることを忘れてはならない。また、生涯にわたって税金とつきあっていくのだから、理解をより深めていきたいと思う。

誰もが望む、安心して暮らせる町。その理想の実現には、税金は欠かせないものなのだと、よく分かった。私たち国民と税金には切っても切れない縁がある。恩恵を受ける場面では感謝し、今後、自分が働き手になった時には、自分の役目である、納税をしっかり果たしていきたい。「自分の苦」より、「みんなの喜び」のために行動できる大人になりたいと強く思った。

税に関する中学生の作文一覧へ戻る