冨山 ひかり
私は集中して勉強したい時は、リビングでします。自分の部屋では気が散って集中できないからです。その理由は目の前に並んでいる本にあります。その本には、番号とバーコードが貼ってあります。金屋図書館で借りてきた本たちです。
私達兄弟は、幼いころ、毎晩母に絵本を読んでもらっていました。八時半までにふとんに入れたら二冊、九時までだったら一冊という約束で。私達は、二冊読んでもらいたくて急いでふとんに入っていました。毎晩読んでくれる本は、母が図書館から借りてきた本でした。絵本を読んでもらうのは、二、三才ごろから小学校低学年まで、ほぼ毎日続きました。全部で何冊くらいになるのか考えてみると、六年間として、三百六十五×六で、少なくとも、二千冊を超える本を読んでもらっていたことになります。そんなにたくさんの本を個人で買うことはできません。図書館がなかったら、絵本を読んでもらうことは続かなかったかもしれません。多くの本に出合うことができ、今も本が好きでいられるのは、図書館があったからです。
図書館は、私達が支払っている税金で成り立っています。何年も図書館を楽しく利用できるのは、税金で新しい本を買っているからですし、いつも快適に過ごせるのは、設備を改善しているからです。
さらに、有名な作家さんとお招きして、楽しいイベントなどもたくさん行っています。私もそのイベントに参加したことがあります。よく読んでいる大好きな物語の作家さんに出会え、お話を聞くことができるのは、とても貴重な機会です。その場合、お招きするのにかかるお金の中にも、税金が使われています。
他にも、図書館に行くことができない方のために、移動図書館、「コスモス号」があります。小学校に定期的におとずれ、本の貸し出し、返却を行ってくれます。「コスモス号」をつくったときの費用、ガソリン代にも税金が使われています。
絵本を読んでもらう楽しみが、自分で本を読むきっかけになり、読書好きの私をつくりました。税金が、町の図書館を充実させることに役立っていると思うと、税金が身近なものに思えてきます。また、今まであって当たり前だと思っていたものが、大人たちが納めてくれた税金に支えられていると気付きました。
借りてきた本につい手が伸びてしまい、勉強が後回しになってしまうこともありますが、次の図書館に行く日をいつも楽しみにしています。これからも、大好きな図書館がずっと続いてほしいです。