和歌山県租税教育推進連絡協議会

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近畿納税貯蓄組合連合会会長賞
子どもの医療と税金
海南市立海南中学校 1年
 上野 心優

わたしは、二歳から始めた水泳を、今では選手コースでがんばっています。しかし、一年ほど前からスポーツ時に呼吸がしずらくなりました。初めて症状が出たのは、大会のレース中でした。専門が自由形だったので、四百メートル自由形のレース中だったのです。前半いいペースで入れたので、自己ベストをねらえるところでしたが、後半にさしかかった所で突然、何度、息つぎをしても酸素が体に入ってこないと思うぐらい浅い呼吸しか出来なくて、失速し残念な結果に終わりました。その後、いろんな病院で検査をし、原因がわかりました。それから、毎日薬を飲んで経過観察で通院が続いています。酸欠にならない方法として、専門を背泳ぎに転向しました。わたしが大好きな水泳を続けるための決断でした。転向してから一ヶ月半、中学校総体の二百メートル背泳ぎの決勝で、ベストを更新し三位入賞することが出来たのは、とてもうれしかったです。

最近、自分が窓口で受付するようになって知ったことがあります。こども医療費助成制度です。受給資格証を持っていれば窓口で自己負担分を払わなくてもいい制度です。わたしは、お父さんが払っている社会保険が負担してくれているとばかり思っていました。しかし、待ち合い室で資格証を見ていると発行機関名が、和歌山市長になっていたので、お母さんに聞いてみると、
「これはね、市の一般財源で自分たちのかわりに支払ってくれてんのよ。検査代や薬代は高額やから、すごく助かってるで。これも、みんなが払っている税金のおかげなんやで。教科書も、支払いするのに学校にお金を持っていかんやろ。お父さんやお母さんが子育てしているだけじゃなくって。そこのおっちゃんも、あそこのお兄さんも、みんなで子育てしてくれてるんやで。感謝しやんとな。」
と、話してくれました。それから、
「窓口で支払うはずの自己負担分で、心優の水着や練習道具、大会のエントリー代になってるわ。ほんま、助かる。」
と、教えてくれました。

お父さんの給料からは税金が引かれています。ガソリンにも税金がかかっています。身近だと消費税があります。取られるばかりの悪いイメージしかなかっただけに、びっくりしました。

今、表彰台にのれたことはコーチや両親のおかげですが、たくさんの方々の税金のおかげで、ここに立てた気がします。感謝の気持ちを大切にして、治療を続けながら、もっと上に立てるよう、大きな大会に出られるように努力したいと思いました。

わたしが大人になって納税する立場になった時、次の世代の子ども達に、やりたい事をくいなく、おもいっきりやれるように税金をおさめ、伝えたいと思います。

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