和歌山県租税教育推進連絡協議会

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和歌山県租税教育推進連絡協議会賞
貢献者
海南市立第三中学校 2年
 榎本 翠

分かってる。税を納めないといけないことくらい。が、買い物で消費税をはらうときは計算は面倒だし、お金を出す私の顔も…、ブサイク。実感する。税金ってあんまり好きじゃない、と。皆、税をどんなふうに見ているのだろう。私が税を好きになることなんて、あるのだろうか。

インターネットや親に聞いて、税について調べてみた。あぁ、本当に税はむずかしい。種類を一つ、かまずに言うことさえ無理だったりした。漢字だらけの説明文に、なぎ倒されてしまう…。このままでは、ますます税をキライになってしまうと思った私は、税のいいところを探してみることにした。もちろん学校や警察、病院など、税によって私達が助けられているものがいっぱいなのは知っていたが、それにかけている金額に目がとび出た。何億円、何兆円という、想像もつかない金額である。人々は、税金をはらって、生活を充実したものにしている。そう思うと、消費税を華麗にはらう自分がかっこよく感じてしてしまった。また、老後の介護のためにも税を納めるようだ。そのときは、ハッ、老後なんて、などと思ったのだが、我が家のおじいちゃんを見たとき、この税もとても重要だと考え直した。と同時に、あると安心して暮らせるものは、皆、税のおかげで成り立っているのだと気が付いた。そして、税を納めることは自分のためでもあるのだという、新しい感覚を持った。

へぇ、税ってなかなかいいじゃんと思ったところで、老人を支える若者の図を見た。三十年ほど前までは、一人の高齢者を、七人の若者で支えていたのが、今では一人を二人ほどの人数で支えなければいけない。私は、これから未来をつくっていく自分達に責任を感じた。そして、税を納めることも、一人の住民としての責任であると知った。

税について新しい感覚が生まれるごとに、ワクワクするのを感じた。少し税と仲よくなれたのだと思う。

税のおかげで、私達の暮らしが明るくなっていくのなら、税はヒーローのようなものだと思う。それから、私達は誇りを持って税を納め、それを受けついでゆく。私達は、一人一人が、ヒーローを支える貢献者なのだ。税はきっと、人々が自らの手で、自分達の社会をつくっていると実感できる最も身近なものなんだろう。

視点を変えた私は、今までよりも明るい気持ちで税と向き合っている。これからは、消費税をはらうときの私は、ブサイクではなく美人になっていることだろう。だから私は、もっと皆にも気分よく税を納めてほしい。この社会の貢献者として。

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