和歌山県租税教育推進連絡協議会

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近畿納税貯蓄組合総連合会会長賞
自然災害から学んだこと
和歌山県立桐蔭中学校 2年
玉井 真菜穂

「また台風くるんかぁ。」「最近、地震多いなぁ。」近頃この会話をたびたび耳にするのは、誰もが感じていることだろう。先日も西日本に近づく台風情報に気がきでなかった。六月に、大阪府北部地震、七月には平成三十年七月豪雨、自然災害は本当に恐ろしい。

テレビのニュースや新聞で各地の被害状況を目にした。東日本大震災の時も同じ思いを抱いたが、日本は他の国に比べ安全で、しかも建築物や道路など強度の高いものだと思っていた。台風、地震後の思わしくない結果に驚く。言い換えると想定以上の自然災害なのかもしれない。そして誰もが予測できない、とめることのできない現象なのだ。

七月の西日本豪雨で避難所に避難している人たちのインタビューをテレビで見た。「今一番、何が必要ですか。」温かい食べ物や新しい服など物資が多い中、安心して歩くことができる整備された「道路」と答えている人がいた。

物資は、予測していたが、道路という予期せぬ答えにハッとした。災害が起きてすぐに、必要なものの物資は改善されても、私たちの力だけでは改善されないものが確かにたくさんある。家が倒壊すると仮設住宅が必要となる。住宅だけではない、農業、漁業、畜産あらゆる分野で不測の事態が起こる。

西日本豪雨から1ヶ月が過ぎやっと、新聞で豪雨復興に、一千五十八億円という記事を見つけた。母とスーパーに行くと募金箱にお釣りを入れた事もあった。メディアで見る度、早くなんとかしてあげたいという気持ちが高まった。ボランティアの人達の姿を見て私にも出来る事はないのかと感じた事もあった。

住居が全壊した世帯への最大三百万円の支援金や中小企業の施設復旧、がれき、土砂処理、農林漁業者支援など支給されるそうだ。

そしてこれらは、予備費から支出されていた。予備費を辞書で調べてみると、「予見しがたい将来の状況変化から生ずる財政需要に備えて、予算に計上される費目。予備費は憲法第八十七条及び財政法第二十四条の規定に基づく。」とある。

記事を読んで恥ずかしながら予備費の存在がある事を知り、自分なりに見聞を広げることができた。そして予備費はあくまで物資と同じようにその時点での補助金であり、災害前の生活に近づくにはまだまだ予算が必要であろう。もちろんそれに頼ってはいけないが…。将来、自身にも起こりうるかもしれない自然災害。一人一人が助けあえる税金、と気づけば税に対する考えも少しは変わるかもしれない。実際に少しの知識を得て、考え方が変わった私が一人いる。

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